記録の習慣化と日誌を活かすコツ
日誌を継続する上で最大の壁は「面倒くささ」です。
しかし、情報を最適化すれば、記録作業は“面倒”から“楽しいルーチン”に変わります。
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時間を決めて書く:毎トレード後に書こうとせず、1日の終わりに一括で記録するなど、自分のスタイルに合ったタイミングを見つける。
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テンプレートを使う:フォーマットを統一することで記録がラクになります。入力の手間も減り、比較しやすくなります。
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振り返りの時間を確保:週1で過去の記録を読み返す「反省ミーティング」のような時間を設けることで、自己分析が定着します。
習慣化の鍵は、「手を動かすことそのものが気づきを生む」と実感すること。最初は“義務感”でも構いません。続けることで効果が見えてくれば、それは“武器”へと変わっていきます。
トレード記録のテンプレート例と活用法
実際の記録例として、以下のようなテンプレートが活用されています。
項目 | 内容 |
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日付/時間帯 | 6月7日/東京時間 午前 |
通貨ペア/方向 | USD/JPY/ロング |
エントリー価格 | 155.20 |
損切り/利確ライン | SL: 154.80/TP: 156.00 |
ロット数 | 0.5 lot |
トレードの根拠 | 押し目買い+15分足でダブルボトム確認 |
想定シナリオ | 一時的な調整後に、前回高値まで再上昇すると予想 |
結果 | TP到達+80pips/+4,000円 |
実際の流れと感情 | エントリー直後はやや含み損→反発で安心→利確まで待てた |
改善点 | 押し目形成をもう少し引き付けるべきだった(早入り傾向) |
自己評価 | ルール順守◎、感情コントロール○、タイミング△ |
このように、事前計画・実行・評価を一連で可視化すると、判断と感情の癖がはっきりと浮かび上がります。
また、テンプレートは紙媒体でもExcelでもOKですが、利便性や検索性を考えるとNotionやGoogleスプレッドシートなどのクラウドツールも非常に便利です。
フォーマットで変わる「気づきの質」
・手書き派:記憶定着や感情表現に強み。深い内省に向く
・デジタル派:検索性・データ管理に強み。傾向分析に向く
どちらを選ぶにせよ、「自分の弱点に気づけること」を最重視してください。
まとめ
トレード日誌は、ただ記録するためのものではなく、自分の思考と感情のパターンを炙り出す“鏡”です。
良いトレードとは「勝ったトレード」ではなく、「再現性のある判断ができたトレード」。
その“再現性”を支えるのが、日々の記録とレビューです。
判断力は、鍛えられる力です。
そしてそのトレーニングの場として、トレード日誌ほど優れた教材はありません。
次の記事では、より実践的なレビュー術として、「記録を“評価に変える”方法」「自己レビューと他者レビューの違い」「レビューを通じて何を伸ばすか」に焦点を当てて解説します。
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