スプレッドコストを抑えるためのEA運用戦略
EA運用においてスプレッド差によるコストを抑えるためには、戦略面での配慮が必要です。具体的には以下のような方針が有効です:
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スプレッドフィルターの活用
EAに一定以上のスプレッド時はエントリーしない条件を設定することで、スプレッドが広がる時間帯を自動で回避できます。 -
エントリー時間の制限
EAに「エントリー可能時間」を設定し、市場が安定している時間帯(例:ロンドンタイムやNYタイムの一部)に限定する方法です。 -
通貨ペアの選定を見直す
USDJPYやEURUSDなど流動性の高いメジャー通貨ペアはスプレッドが狭く、EA運用との相性が良い傾向があります。マイナー通貨ペアは一時的に広がりやすく、EAとの相性を見極める必要があります。 -
サーバースピードと約定力の確認
ブローカーのサーバースペックやEAのVPS環境によって、スプレッド差と実質コストに影響が出る場合もあります。低遅延VPSやブローカー選定も有効です。
スプレッド差を意識したEAポートフォリオ構築の工夫
スプレッド対策は、個別EAだけでなく、ポートフォリオ全体で設計することで安定性が増します。以下の視点で構成を見直しましょう:
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「広がり耐性型」と「狭小スプレッド専用型」の両方を組み込む
急変動時にも強い耐性型EAと、平常時に安定して回すEAを組み合わせることで、収益機会と安定性を両立できます。 -
通貨ペアのスプレッド特性を分散
異なる特性を持つ通貨ペアを使い分け、スプレッドの広がり方の分散を狙います。 -
異なるブローカーの利用
ブローカーごとにスプレッドの傾向が異なるため、特定の取引時間や通貨ペアに有利なブローカーを併用するのも有効です。
このように、「スプレッドを見てからEAを選ぶ」のではなく、「スプレッド変動も想定した運用設計」を意識することが、安定運用のカギとなります。
まとめ
EA運用において「スプレッド」は軽視できない収益要因です。特にスキャルピング型や短期決済型のEAでは、スプレッドの変動が直接的に収益を左右します。バックテスト成績だけでなく、リアル運用でのスプレッド影響を前提にEAを選定・調整することが欠かせません。
そのためには、EAの内部設計(TP/SL幅、スプレッドフィルターの有無)、稼働タイミング、通貨ペア、ブローカー特性を含めて検討すべきです。また、ポートフォリオ全体としてのスプレッド耐性を考慮することで、より再現性の高いEA運用が可能になります。
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