注文方式がトレードスタイルに与える影響
前編で紹介したNDD方式とDD方式の根本的な違いは、実際のトレード手法や戦略にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
たとえばスキャルピングのような超短期取引では、約定速度と透明性が非常に重要です。このため、スプレッドがやや広くてもNDD方式、特にECN型を選ぶトレーダーが多く見られます。スリッページやリクオートの少なさが、結果的に勝率に大きな差を生むこともあります。
一方で、裁量トレードや中長期的なポジション運用では、スプレッドの安定性やサポート体制が重視される傾向があります。DD方式では業者が価格管理しているため、スプレッド固定の安定性や入金ボーナスなどの取引サポートが提供されやすいのです。
つまり、トレードスタイルによって「何を優先するか」は異なるため、NDDとDDの違いを理解したうえで、自分にとって最適な業者・方式を見極めることが鍵となります。
NDD/DD方式を採用している主な海外FX業者とその傾向
海外FX業者には、明確にNDD方式のみ、またはDD方式のみを採用している業者もあれば、複数の口座タイプで方式を分けている業者もあります。
たとえば以下のような傾向があります:
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NDD方式を採用する代表的業者
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Titan FX:完全ECN方式を明示、スプレッドは狭いが取引手数料あり
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Tradeview:高約定力が特長のECN型、プロ向け口座も展開
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Axiory:STPとECNの両方に対応した透明性の高い方式
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DD方式をベースとする業者
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iFOREX:スプレッド固定、初心者向け設計、独自の取引制限あり
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FXGT:複数資産対応、ボーナスやレバレッジが柔軟に設定可能
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併用型(NDD/DD両方提供)
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XM:スタンダード口座はDD方式に近く、Zero口座はNDD系
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GEMFOREX:オールインワン口座はDD、ロースプレッド口座はNDD風
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業者選びでは、「口座タイプによって注文処理方式が違う」ことも見逃してはなりません。表示されているスプレッドやボーナスだけでなく、内部の注文処理ロジックも比較することが重要です。
まとめ
NDD方式とDD方式の違いは、単に約定処理の仕組みだけではなく、トレード環境そのものに大きな影響を与えます。
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NDD方式は透明性と約定力に優れ、上級者やアルゴリズムトレード向け。
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DD方式はスプレッド安定やボーナス充実など、初心者やライトユーザー向け。
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自分のトレードスタイルに合った方式を選び、必要に応じて複数の口座を使い分けるのも有効。
また、業者によっては同じ名称でも注文処理方式が異なる場合があるため、公式情報をしっかり確認することが重要です。取引の根幹に関わる部分だからこそ、注文方式の仕組みはぜひ押さえておきたいポイントです。
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