条件付き無料VPSの落とし穴とトラブル事例
前編では、無料VPSの提供背景や代表的なFX業者の条件について紹介しました。後編では、実際に起こりうるリスクや見落としやすい制約、活用にあたっての判断ポイントを掘り下げます。
ありがちなトラブルと誤解
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条件未達でVPS停止:例えば月間5ロットの取引条件を満たせなかったことで、予告なくVPSが止まり、EAが停止した事例があります。
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再起動や接続制限:業者提供のVPSでは、管理者権限が制限されており、MT4がクラッシュしても自力で復旧できないケースがある。
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複数インスタンス運用が不可:無料のVPSは最低限のリソースしかなく、複数のEAや通貨ペアを運用するとメモリ不足になる可能性がある。
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リモートデスクトップのラグ:ネットワークが混雑している時間帯に動作が重くなり、手動操作に支障が出ることも。
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条件変更・仕様改定:業者のポリシー変更で突如条件が厳しくなったり、有料化されたりするリスクがある。
これらは利用規約に明記されていることが多いため、申し込み前に詳細まで読み込む必要があります。
無料VPSと有料VPSの使い分け基準
「無料=悪」ではありませんが、取引スタイルや目的に応じて使い分ける視点が大切です。
無料VPSが向いているケース
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初期コストを抑えたいビギナー
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EAを1本だけ軽く運用する人
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VPS利用がどういうものか試してみたい人
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月間の取引量が安定していて条件クリアに不安がない人
有料VPSを検討すべきケース
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複数のEAや通貨ペアを運用している
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高頻度取引やスキャルピングを行う
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約定スピードを最重視している
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24時間安定運用が前提(不測の停止が致命傷になる)
また、VPSのスペックだけでなく「接続場所(データセンターの所在地)」も重要です。ブローカーと同じ地域(例:ロンドン、ニューヨーク)にあるサーバーを選ぶことで、遅延が減り、スリッページを最小限にできます。
まとめ
無料VPSは魅力的な選択肢ですが、その裏にある条件と制約を正確に理解し、自分の運用スタイルと照らして適切に判断することが重要です。
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無料提供は“取引条件付き”が基本
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スペックやサポートには制限がある
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運用トラブルや予告のない停止リスクに備えが必要
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安定運用や複数EA利用なら有料VPSの検討も視野に
「とりあえず無料だから使ってみよう」で始めてしまうと、思わぬ形で自動売買が止まったり、損失が出たりする可能性があります。この記事を通じて、自分に合ったVPSの選び方を再確認してみてください。
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