免責が不許可となった実例と判断の背景
免責不許可事由に該当したからといって、すべてのケースで免責が拒絶されるわけではありません。しかし、明らかに悪質な行為や、反省の態度が見られないケースでは、裁判所は厳しく判断します。
たとえば、海外FX取引で大きな損失を出した後、それを隠すような形で資金を別口座に移していたケースでは、「財産隠し」と判断され免責が不許可となりました。また、過去にも破産歴があり、しかも債権者調査に協力的でなかった場合、再度の免責は厳しく制限されます。
一方で、ギャンブル依存が原因であっても、破産手続中に通院や家計の改善努力が見られたことで「裁量免責」が認められた事例もあります。こうした判断は、破産者の再起の意思や行動に大きく左右されるのです。
海外FXが原因でも免責される?注意すべきポイントと対策
海外FX取引は、破産法上「投機的行為」に分類される可能性があります。損失が短期間に集中していたり、明らかに過剰なレバレッジをかけていたりすると、ギャンブルと同様の扱いを受ける恐れがあります。
そのため、破産手続の中では以下の点に注意する必要があります:
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取引履歴を詳細に開示する
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自身の収入・資産に見合った範囲内での取引だったことを説明できるようにする
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今後は同様の行為を行わないと誓約する意思を示す
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債権者や破産管財人の調査に誠実に応じる
こうした姿勢が裁量免責の判断において大きなポイントとなります。すべての海外FX利用者が免責不許可になるわけではないため、誠実な対応が重要です。
まとめ
自己破産の最終的な目標は「免責許可」を得て、借金から解放されることにあります。しかし、免責が認められるには法律上の要件を満たし、かつ破産者自身の姿勢や誠実さが問われます。
特に海外FXなどリスクの高い投資行為が原因の場合は、その経緯や対応姿勢次第で結果が大きく分かれます。破産を決断した後こそ、どう向き合うかが大切です。免責不許可となれば借金は残りますが、裁量免責制度を活用すれば救済の可能性は残されています。
「もう終わりだ」とあきらめず、誠実に対応を重ねていくことが、再起への第一歩となるでしょう。
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