ChatGPTで作るトレードルールブック|勝ちパターンの明文化術

トレードの“型”が曖昧なまま勝てる人はいない

FXにおいて安定して勝ち続けるには、感覚や経験だけでなく、明文化されたルール=“型”が不可欠です。しかし、多くのトレーダーがこの「自分だけのルールブック」を持たずに場当たり的な判断で取引してしまいがちです。

特に海外FXのようにボラティリティが高く、短期勝負が多い環境では、ルールの有無が結果に直結します。

  • エントリー条件が毎回違う
  • 利確・損切りのルールが曖昧
  • 感情によって判断がブレる

こうした状態では、勝ちパターンの再現も、負けパターンの回避も困難です。

この前編では、まずトレードルールブックの必要性と、ChatGPTがどのようにその作成に役立つのかを解説し、後編では実際のプロンプト例と、ルールを“生きた戦略”として運用するための工夫を紹介します。

トレードルールブックの構成とその意義

ルールブックとは、自分のトレードを体系的に言語化した「自己戦略のマニュアル」です。以下のような構成が典型的です:

1. 環境認識のルール

  • 使用する時間足(例:4時間足でトレンド把握、15分足でエントリー)
  • トレンドの定義(例:MAの並び、ダウ理論など)
  • 指標・地政学リスクの確認タイミング

2. エントリー条件

  • テクニカル指標の組み合わせ(例:RSI×MACDクロス)
  • ローソク足のパターン(例:包み足、ピンバーなど)
  • エントリーポイントの可視化(例:直近のサポレジライン)

3. 損切り・利確のルール

  • 損切りの位置(ATR×1.5、直近高値/安値の外)
  • 利確基準(リスクリワード2:1、直近のフィボナッチライン)

4. マネーマネジメント

  • 1回の取引にかける資金割合(例:全体資金の2%)
  • 連敗時の対応(例:3連敗で一時休止)

こうしたルールを明文化しておくことで、迷いが減り、反省や改善の軸も明確になります。

ChatGPTがルールブック作成に貢献できる理由

① あいまいな裁量判断を“言語化”できる

「なんとなく良さそう」で入ったトレードでも、ChatGPTにこう聞いてみれば:

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以下のような条件でエントリーした理由をロジックとして整理してください。

→ テクニカル的根拠、心理的要因などが明文化される。

② 再現性あるルールの“骨組み”を提供できる

ChatGPTは数多くの戦略知識をもとに、トレーダーの方針に合った「ルールのたたき台」を生成できます。

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逆張りスキャルピング型のトレードルールを、5つの条件に分けて構成してください。

→ そのままベースとして使え、後から自分流に調整可能。

③ 定期レビューや改善提案も可能

作ったルールをChatGPTに見せて、こう依頼すると…

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以下のルールについて、裁量判断が入りやすい点や矛盾がある箇所を指摘してください。

→ 意図せぬ抜け漏れや改善ポイントを教えてくれる。


以降では具体的なプロンプト構築例、ルールの保存/運用法、そして「戦略を生かす反省の型化」まで、実践ベースで紹介していきます。


ルール生成プロンプトの作り方とカスタマイズ例

前編ではルールブックの必要性とChatGPT活用の意義を説明しました。ここからは、実際にChatGPTでルールを生成する際のプロンプト作成法と、そのカスタマイズ手法を解説します。

スタンダードな戦略構築プロンプト

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私のトレードスタイルは「順張りの中期トレード」です。この方針に沿ったトレード戦略を、環境認識・エントリー・利確・損切り・マネーマネジメントの5項目で構成してください。

→ ChatGPTは総合的なルールセットを構築してくれます。

特定条件を明示したプロンプト

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ユーロドルの15分足でスキャルピングを行います。ボリンジャーバンドとRSIを使って、逆張りの売買戦略をルール化してください。できるだけ曖昧さを排除してください。

→ より具体的で実用的なルールが生成される。

裁量判断をルールに変えるプロンプト

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「ボラティリティが高い日はエントリーを見送る」という自分の方針があります。これをチャート上で判断できるような数値基準に変えてください。

→ ChatGPTはATRや標準偏差、ヒストリカルボラティリティなどを活用した「数値的な目安」を提案できます。

ChatGPTルールブックの運用術

ルールの保存方法とバージョン管理

  • NotionやGoogle Docsで「日付・ルール名・目的別」に分類保存
  • 変更履歴を「改訂版ルールv1.1」などで記録
  • 月1回、ChatGPTに「現ルールの棚卸し」を依頼してレビュー

定期レビューのプロンプト例

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以下のルールセットを、直近3ヶ月のトレード傾向に照らして、改善すべき点があるかフィードバックしてください。

→ ChatGPTが「エントリーポイントが曖昧」「マネーマネジメントが甘い」などの課題を指摘してくれる。

「成功パターンと失敗パターンの再構築」プロンプト

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過去10回の勝ちトレードと負けトレードの記録をもとに、それぞれの共通点を抽出し、勝率を高めるルール案に再構成してください。

→ ChatGPTが自己最適化ルールを提案してくれる可能性がある。

まとめ

ChatGPTを活用したルールブック作成は、単なる文章生成を超え、「自分の思考・経験・判断」を構造化し、検証可能な戦略に落とし込むための強力な手段です。

  • ルールは“明文化”しなければ再現も改善もできない
  • ChatGPTはルール構築の支援者として優秀だが、最終判断者はあくまで自分
  • 運用時は“更新とフィードバック”を意識して、戦略を育てていくことが重要

自作ルールのPDCAを回せるトレーダーこそ、AI時代に生き残る本物の裁量型トレーダーだと言えるでしょう。


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