自己破産しかない？海外FXの多額損失に直面したときの3つの選択肢

なぜ「自己破産しかない」と思ってしまうのか

海外FXで想定以上の損失を出し、追証（追加証拠金）まで請求された場合、多くの人が「もう自己破産しかない」と感じてしまいます。この思考の背景には、以下のような心理と状況があります。

まず、取引の金額が大きく、損失額が生活レベルを超えていることが第一の要因です。証拠金維持率を下回ると自動ロスカットされますが、その前後に大きく相場が動くと、ロスカットが間に合わず多額のマイナス残高が発生することもあります。

さらに、日本国内のFXとは異なり、海外FX業者では追証が発生するケースがあり得るため、資金を失うだけでなく追加の請求も届くことがあります。これにより心理的にパニックに陥り、冷静な判断ができなくなることも少なくありません。

また、周囲に相談できる相手がいない、家族にも言い出せないといった孤立感も、「破産しかない」という思いを加速させます。しかし、実際には自己破産だけが解決策ではなく、債務の状況や収入、資産状況に応じた複数の対応策が存在します。

本記事では、そうした選択肢を体系的に紹介し、自分に合った道を見つけるための情報を提供します。

選択肢1：分割返済による和解（任意整理）

まず検討したいのが、**自己破産以外の債務整理手段である「任意整理」**です。これは弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、返済額や返済期間を調整する手続きです。

任意整理の特徴とメリット

• 元金を分割で返済することが基本となり、将来的な利息や遅延損害金をカットできる可能性があります。

• 債権者との合意が成立すれば、訴訟や差押えといった法的手続きに発展するリスクを回避できます。

• 信用情報には事故情報として登録されますが、自己破産ほどの社会的影響は少ないです。

注意点

• 返済能力があることが前提となります。たとえば安定した収入があり、毎月一定額を支払える場合に適用されます。

• 海外FX業者が交渉に応じるかは業者によって異なるため、国内に代理人や債権回収会社が存在する場合に現実的な手段となります。

任意整理が成立すれば、自己破産せずに社会的信用を維持したまま解決が可能になります。まずは専門家による無料相談などを利用して、自身の状況で交渉可能かを判断してもらうと良いでしょう。

選択肢2：自己破産ではなく個人再生を検討する

自己破産よりも生活への影響を抑えたい場合は、**「個人再生」**という制度が選択肢になります。これは裁判所を通じて借金の大幅な減額を認めてもらい、原則3年間で再生計画に基づいて分割返済していく手続きです。

個人再生のメリット

• 借金が最大5分の1まで減額される可能性があります。

• 自宅や車などの資産を維持しながら、法的に返済義務を履行できます。

• 会社員や自営業者でも利用可能で、一定の収入があることが条件となります。

注意点

• 裁判所への申し立てや再生計画の提出など、手続きが煩雑で時間がかかります。

• 一定額以上の債務がある場合（原則100万円以上）、かつ継続的な収入が必要です。

• 海外FX業者からの債務であっても、正確な債権額を証明できる資料が求められることがあります。

個人再生は「自己破産は避けたいが、返済が困難」という中間的な立場にある人にとって、有力な選択肢になります。

以降では最後の選択肢として自己破産の活用と注意点について詳しく解説し、３つの選択肢を比較して自分に合った対処法を見つけるための視点を提示します。