為替レートをどう記録するか|実務上の方法とExcel管理のコツ
為替レートの記録方法は、「何のために残すのか」を意識して設計することが重要です。目的は主に以下の3つです。
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税務署からの問い合わせに対応できるようにする
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適用レートの再計算ができるようにする
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集計漏れ・ミスを防止する
実務では、日付・取引内容・外貨金額・レート・円換算金額の5項目を中心にExcelで管理するのが一般的です。取引のたびにレートを手入力するのではなく、日付ベースで参照できるようにしておくと効率的です。
為替レートの取得には以下の方法があります:
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三菱UFJ銀行などの公式サイトからTTMを取得
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財務省公表の為替レートを月末ベースで取得
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自動取得のGoogleFinance関数(Googleスプレッドシート)を活用
たとえばGoogleスプレッドシートでは次のように関数を使えます:
これを日付ごとに組み込んでおけば、為替変動にも自動対応できます。
税務署にどう説明する?「継続的で合理的な方法」の考え方
国税庁は、為替レート換算について「継続的で合理的な方法であれば問題ない」としています。これは裏を返せば、「毎回バラバラではいけない」「他人に説明可能な基準でなければならない」という意味です。
具体的には以下のような工夫が有効です。
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レートの出典元を明示(例:三菱UFJ銀行のTTM)
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毎月初日または月末のレートを継続使用
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1年を通じて同じ基準で記録・計算していることを記載
また、税務署から照会があった場合に備えて、記録したExcelやスプレッドシートはPDFで保存し、申告書の提出時に添付しておくと信頼性が高まります。
一方で、頻繁に出金・送金を繰り返す場合は、出金日ごとのレート管理が求められることもあります。後続記事「出金レートで損する!?」ではこの点をさらに掘り下げて解説していきます。
まとめ
海外FXにおける為替レートの記録は、「円換算」という確定申告上の前提を守るために欠かせません。ただし、法的に厳格な日次レートの使用義務があるわけではなく、「継続性と合理性」が重視されます。
実務では、TTMを基準にExcelやスプレッドシートで管理し、後から再確認できる状態を保つことが大切です。日常のトレード記録と一緒に為替情報も記録しておく習慣をつけることで、後の集計・申告が格段にラクになります。
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