視点3:ストップロスの設定と“破綻前提”の仕組み
EAの破綻リスクを見抜くうえで、ストップロス(損切り)の設計は最重要項目です。ストップロスが極端に広すぎたり、設定自体がなかったりする場合、突然の急変動で全資金を失う可能性があります。以下のような点をデモトレードでチェックしましょう。
-
ストップロスが設定されていないトレードがあるか?
-
過去のトレードで最大損失が異常に大きい場面は?
-
複数ポジションを持つ戦略で、どれもストップロスが同じ幅か?
-
逆行した場合の損失が1回で資金の何%に達するか?
-
利益確定(テイクプロフィット)と比べて損切り幅が大きすぎないか?
ストップロスなし=高収益というEAは一見魅力的に見えますが、それは「破綻してもおかしくない設定」である可能性が高く、長期運用には極めて不向きです。実際、デモ口座でも一瞬で証拠金が消える例は後を絶ちません。
視点4:相場変化に対応できるか?“設定頼り”の限界を知る
EAの設計は、ある程度の相場想定に基づいています。たとえば、「レンジ相場で優位な設計」や「トレンド初動に反応するロジック」などです。ところが、相場は常に変化しており、EAの強みが通じない局面も当然あります。
デモトレードでは、あえて「勝てない場面」を体験し、以下のようなポイントを観察すると良いでしょう。
-
一定期間まったくエントリーしない(相場判定が合っていない)
-
連敗が始まってもロジックが変わらない(適応性がない)
-
トレード頻度が急に上がる(焦ってエントリー?)
-
パフォーマンス低下後に回復できず撤退が必要になるEA
こうした兆候が見られた場合、EAのロジックが「過去相場に最適化されすぎている」可能性があります。つまり、「今後も勝てる」という保証にはならないということです。
デモトレードで「負け方」「適応できない場面」を知っておくことで、実運用に入ったときの判断が速くなり、無駄な損失を防ぐことにつながります。
まとめ
EA選定においては、「いかに勝つか」よりも「どうすれば破綻しないか」が何倍も重要です。本記事では、デモトレードで見抜くべきリスクの視点として以下を解説しました。
-
ドローダウンの頻度と回復力
-
資金に対するロット設定の妥当性
-
ストップロスの有無と幅の設計
-
相場環境に対するEAの対応力の限界
これらを踏まえたうえで、「リアル運用しても崩れにくいか?」という目線を持つことが、EA選定における最大のリスクヘッジです。
コメント