“破綻するEA”の見抜き方|ハイリスク設定と資金溶解の兆候とは?

ハイリスクEAにありがちな特徴とは?

海外FXの自動売買でよく見られる「高利回りEA」。しかし、その中には実際には“危険な地雷”を抱えたものも少なくありません。この前編では、破綻する可能性の高いEAに共通する“設計上の特徴”や、なぜそれがリスクになるのかを分析します。

ロット調整が固定 or 非現実的

  • EAによっては、ロットサイズが通貨ペアや証拠金に対して大きすぎる初期設定になっていることがあります。

  • 「0.5lot×5ポジション」など、個人トレーダーの許容範囲を超えるポジション取りをするEAも。

  • 特に入手時点で「調整不可」または「設定箇所が不明確」なものは要注意です。

損切りなし or ナンピン・マーチン型

  • 「勝率100%」「損切りゼロ」とうたうEAの多くは、実はナンピン系ロジック。

  • ナンピン(損失ポジションを追加する)やマーチンゲール(倍々で追加)が組み合わさると、相場が戻らなければ破綻します。

  • 一見安定して見えても、「月利20%以上」が長期持続するEAはこのリスクが高い傾向にあります。

実績やバックテストに潜む“危険な兆候”

一見優秀に見えるEAでも、提示されるデータの裏に隠れたリスクがあります。以下では、破綻リスクを見抜くためのチェックポイントを解説します。

直近の成績が異常に右肩上がり

  • 利益グラフが“階段状”に伸びているものは、高頻度取引&ロット依存型の可能性大。

  • リアル口座かデモ口座か、Myfxbookなどでの信頼性も確認すべきです。

1年未満のバックテストのみ提示

  • 相場はトレンド・レンジ・暴騰・暴落といった“複数フェーズ”が循環します。

  • それらをすべてカバーしていない短期テストでは、相場変化に耐えられない可能性があります。

最大DD(ドローダウン)の記載がない or 極端に低い

  • 成績が良く見えても、実際には数十%のDDが出るロジックであることも。

  • 「DD 3%」「含み損ゼロ」は、マーチン系または非現実的ロジックの可能性が高いです。

このように、EA選びの段階で“兆候”を見極める力をつけることで、破綻リスクを未然に防ぐことができます。後編では、実際に「資金が飛ぶ」パターンや、損失を防ぐための実践的な検証ステップを詳述していきます。

相場が動いたときに破綻するパターン

破綻しやすいEAには、相場の急変に耐えきれない“弱点”があります。特に、トレンド相場への対応力や、連続損失にどう対応するかは破綻リスクを大きく左右します。

一方向トレンドに弱いナンピンEA

  • 相場が反転せず、同じ方向に動き続けると、ナンピンポジションが膨らみます。

  • 含み損が膨大になり、証拠金維持率が急低下。強制ロスカットの危険が迫ります。

  • 損切り設定がないと、撤退のタイミングを失い、残高がゼロに近づくことも。

利確幅が狭く、損失が重い逆マーチン系

  • 逆マーチンでは「損失拡大→ロット縮小→利確が遠のく」ため、回復に膨大な時間がかかる。

  • トレンド転換に弱く、ロットが小さいまま逆張りポジションを持ち続けてしまう。

購入前にできるリスク検証の手順

購入前にできる“破綻リスクの予防”は、主にEAのバックテストと販売情報から判断します。以下のポイントを事前にチェックしておきましょう。

1. MyfxbookやFXBlueでの公開口座の有無

  • 運用履歴が公開されていないEAは信頼性に乏しい。

  • デモ口座だけでの運用も慎重に。実運用との違いが大きく出ることもあります。

2. 資金・ロットバランスを検証する

  • EAの説明にある「推奨資金10万円で0.5lot」などの表記が現実的か検討。

  • 証拠金維持率が常時500%以下になるような設定は危険です。

3. 複数の相場フェーズでのバックテスト結果

  • 上昇・下降・レンジ相場のすべてで生き残っているかを確認。

  • 期間は最低でも3年以上、できれば5年超のテストが理想です。

まとめ

“破綻するEA”の多くは、過度なロット設定・損切りなし・ナンピンマーチンなど、破綻ロジックの片鱗を持っています。これらのリスクは、EAを使う前の段階でもある程度見抜くことができます。

特に「月利20%」「損失ゼロ」といった“うまい話”には注意し、運用前のテスト・小ロットスタート・分散管理を徹底しましょう。EAはあくまで“ツール”であり、運用者の判断力が損益を左右することを忘れてはいけません。

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