チェック4:バックテストの信頼性と期間を検証する
無料EAの導入前に、配布者が公開しているバックテスト結果をしっかり精査することが大切です。特に以下の観点で信頼性をチェックしましょう:
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テスト期間が十分に長いか(少なくとも2年以上)
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テスト通貨ペアとタイムフレームが現実の運用条件に合っているか
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初期証拠金やロット数が現実的か
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モデリング品質が90%以上であるか
過度に短期間で高利益を出しているものや、ナンピン・マーチン型で「収益右肩上がり」だけを強調するEAは注意が必要です。できれば自分でもバックテストを再実行して、ロジックの挙動を確かめることをおすすめします。
チェック5:稼働実績(フォワードテスト)はあるか?
バックテストだけでなく、**実際の稼働実績(フォワードテスト)の有無も大きな判断材料になります。**以下のような情報が揃っていれば信頼性は高まります:
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Myfxbookなどの外部トラッキングサービスで公開されているか
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実際の運用口座でどれくらいのドローダウンがあったか
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特定の相場状況(たとえば指標発表時など)でEAがどう動いたか
フォワードテストがなければ、少なくとも**「過去にどんな場面で止めたくなったか」など、運用者のレビューや感想を参考にする**と良いでしょう。
チェック6:制限や条件付き無料の可能性を確認
「無料」と銘打たれていても、実際には制限つきのEAであるケースも珍しくありません。たとえば以下のようなパターンがあります:
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特定のIB(Introducing Broker)経由の口座開設が必須
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特定の証券会社でしか動作しないよう制限されている
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ロット数・取引時間に制限がある
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バージョンが旧式でアップデートが停止されている
こうした条件がある場合でも**事前に明示されていれば問題ありませんが、隠れた条件が後から判明するとトラブルに繋がります。**配布元の規約や利用条件は必ず確認しましょう。
チェック7:提供者の信頼性とサポート体制
最後のチェックポイントは、EAの提供者が信頼できる相手かどうかです。
無料EAはSNSや個人ブログなど、多様なルートで配布されているため、誰が作成しているのか明確でないこともあります。以下の要素を確認しましょう:
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配布元に連絡先や運営情報があるか
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説明マニュアルが整備されているか
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フォーラムやレビューで利用者の声が確認できるか
トラブルがあった際、問い合わせできる窓口があるかどうかは初心者にとって特に重要です。また、継続的にアップデートされているかどうかも、長期運用の観点で確認しておくべきポイントです。
まとめ
無料EAは上手に活用すれば、自動売買の入門として非常に有用なツールです。しかし、「無料だから安心」と考えるのではなく、導入前にしっかりと情報を整理し、自分の運用スタイルやリスク許容度に合っているかをチェックすることが大切です。
今回紹介した「7つのチェックポイント」を踏まえれば、**導入時のミスマッチやトラブルをかなりの確率で回避できるはずです。**次回は、EAを導入した後に重要になる「運用環境の整備」について掘り下げていきます。

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