海外FXでよく聞く「DD方式」と「NDD方式」って何が違うの?

「DD」と「NDD」の違いを理解する前に押さえておきたいこと

海外FXを調べていると、「DD方式」「NDD方式」という言葉を目にすることが多くなります。これらはFX業者がどのように注文を処理しているかを示す用語であり、取引環境や透明性、約定スピード、スリッページの発生頻度などに大きく関わります。

まず、DD方式とは「Dealing Desk」の略で、業者がトレーダーの注文を一旦受けたうえで、自社内で処理する仕組みです。つまり、注文のカウンターパーティ(相手)が業者自身である可能性があるということです。一方、NDD方式とは「No Dealing Desk」の略で、トレーダーの注文が直接、もしくはECN(電子取引ネットワーク)やSTP(ストレート・スルー・プロセッシング)経由で市場に流されます。

これらの方式の違いは単なるシステム構造だけでなく、「業者がトレーダーと利益相反の関係にあるか」「約定の公平性が保たれるか」といったトレーダー側の取引環境にも深く関わってきます。次の見出しでは、DDとNDD、それぞれの方式の仕組みをさらに詳しく見ていきましょう。

DD方式とは?その仕組みと特徴を丁寧に整理

DD方式の基本構造

  • 注文処理方法:トレーダーの注文をいったん業者が受け止め、その中で相殺するか、自社がカバーする形で処理される。
  • スプレッド:固定制が多く、相場の急変時でもスプレッドの変動が比較的小さい。
  • 約定力:業者が裁量で約定可否を判断できるため、リクオート(注文再提示)や約定拒否が発生しやすい。

DD方式の特徴

  • 利益相反の可能性:トレーダーの損は業者の利益になるため、意図的なストップ狩りなどの懸念がある。
  • 透明性の低さ:注文が実際に市場に出ているかどうかが確認できない。
  • 初心者にとっては馴染みやすい:安定したスプレッドで、少額取引がしやすい。

このように、DD方式は業者側の裁量が大きく働く分、コストが安定している一方で、取引の透明性や公平性の観点では懸念が残るケースもあります。後編では、NDD方式の種類とそれぞれの実態、DD方式との比較を踏まえたメリット・デメリットを深掘りしていきます。


NDD方式の仕組みと2つのタイプ(STPとECN)

NDD方式の基本構造

NDD(No Dealing Desk)方式は、FX業者がディーリングデスクを介さず、トレーダーの注文を直接市場に流す方式です。この方式では、業者が注文に介入しないため、取引の透明性が高くなります。

NDD方式には主に2種類あります:

  • STP(Straight Through Processing)方式:トレーダーの注文を提携している複数のリクイディティプロバイダー(LP)に流し、最良レートで約定させる。
  • ECN(Electronic Communication Network)方式:複数の参加者(銀行・ヘッジファンド・他のトレーダーなど)が直接取引する場を提供。業者もこの市場に参加者として存在する。

NDD方式の特徴

  • 約定のスピードと透明性:注文は直接市場に出され、リクオートや約定拒否が基本的にない。
  • スプレッドの変動性:相場の状況に応じてスプレッドが変動する(変動スプレッド)。
  • 取引コストの構造:スプレッドが狭い代わりに、別途取引手数料が課される場合がある(特にECN方式)。

特にECN方式は、インターバンク市場に近いレートでの取引が可能であり、プロトレーダーに人気です。一方で、STP方式はやや広めのスプレッドと手数料なしという形で提供されることが多く、一般的なユーザーにも使いやすい側面があります。

DD方式とNDD方式の比較で見える取引環境の違い

取引の透明性と約定力の違い

DD方式では、業者が注文を自社内で処理するため、透明性が低くなる傾向があります。一方で、NDD方式はカバー先への発注が前提であり、注文経路が明確です。

また、約定力についても、NDD方式はリクオートが起きにくいとされます。特にECNでは、市場にある価格で即時約定するため、取引のスピードも非常に速いです。

スプレッドとコストの違い

  • DD方式:固定スプレッドで手数料無料が多い。スプレッドが広めだが、計算がしやすい。
  • NDD方式:変動スプレッドで、狭いが市場状況で拡大する。ECNでは手数料が別途かかる。

つまり、トレーダーの取引スタイルや資金量によって、どちらの方式が向いているかは異なります。

まとめ

DD方式とNDD方式は、単なる「業者の注文処理の違い」ではなく、トレーダーの体験全体に影響する重要なポイントです。スプレッドの安定性やコストの分かりやすさを重視するならDD方式が合う可能性がありますが、透明性や市場直結の約定スピードを求めるならNDD方式が有利です。

取引スタイルや目的に合わせて、それぞれの特徴を正しく理解しておくことが、海外FXでの成功の第一歩といえるでしょう。


コメント

タイトルとURLをコピーしました