実際にあった失敗例|税理士選びでこんな落とし穴も
ケース1:経験不足による「無難すぎる申告」
ある個人トレーダーは、ネットで見つけた「雑所得に強い税理士」に申告を依頼しましたが、取引履歴のチェックや為替レートの精査は行われず、すべて「おおまかな平均」で処理されてしまいました。後日、税務調査が入り「説明責任を果たせない記録管理」と判断され、追加課税と過少申告加算税が発生しました。
ケース2:「事業所得」として処理したが…
別のトレーダーは、損失の繰越を活かすため「事業所得」での申告を依頼しましたが、経費内容が曖昧であり、また職業欄が「会社員」となっていたこともあり、事業性が否認されました。青色申告の特典が全否定され、結果的に申告が不利になりました。
ケース3:連絡が遅く、期限直前でバタバタに
コミュニケーションがメールのみの税理士に依頼したところ、質問への返信に数日かかるのが常態化し、申告期限直前まで内容の精査が終わらず、結局は「間に合わせるだけの申告」に。自分でまとめた資料のほうが詳しかった…という苦い結果に。
上手な依頼の仕方|どこまで任せ、どこに関わるべきか?
「丸投げOK」は誤解。資料の整備と意思表示が必須
税理士に依頼するとしても、「何を任せ、どこは自分で確認するか」のスタンスが重要です。
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自分がやるべきこと:
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取引履歴(CSVなど)の整理
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入出金記録のメモ(日時、名目、金額)
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「何を経費として認めてほしいか」の希望リスト
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税理士に任せること:
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税制解釈(雑所得 vs 事業所得)
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計算ロジックの整合性
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税務署への対応準備
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良い税理士であれば、「どこをどう申告するか」の判断だけでなく、「この考え方で問題ないか」といった確認にも丁寧に応じてくれます。一方通行のコミュニケーションではなく、納得できるまで質問することが重要です。
契約時のチェックポイント
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明細データの提出方法は柔軟か(PDF, CSV, Googleスプレッドシート等)
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対応スピードに納得できるか(返信までの日数目安)
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電話やZoomで相談可能か(緊急時や意思疎通のため)
まとめ
海外FXにおける税務申告は、一般的な確定申告よりも情報量・判断項目ともに多く、税理士側の理解不足やコミュニケーション不足が大きなトラブルにつながる領域です。税理士選びでは、「海外FX対応」とあるだけで安心せず、実績・対応方針・相性までチェックしましょう。そして依頼時には「ただ任せる」のではなく、「伝えるべき情報を整理し、質問すべきことを遠慮せずに聞く」姿勢が鍵になります。
後悔のない申告のためには、「頼れる専門家」と「的確な自分の関わり方」の両方が必要です。
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