追証を支払ったあとに待っていた“二次破綻”
Tさんは結局、精神的なプレッシャーと恐怖に耐えられず、クレジットカードで追証を支払ってしまいました。これにより一時的には業者からの督促は止まりましたが、当然ながら次に来たのは「カードの返済」という現実です。
支払いのためにリボ払いを選んだTさんは、翌月から月々の支払い額に苦しむことになります。収入は20代の会社員としては平均的でしたが、家賃や生活費、通信費など固定費も多く、返済は容易ではありませんでした。
そして、返済のプレッシャーから再びFXに挑戦。「取り返そう」という焦りから無理なトレードを繰り返し、再び資金を失うという悪循環に陥ってしまいます。これがまさに、海外FXにおける“追証スパイラル”の典型例です。
Tさんが再起に至るまでのリアルなステップ
転機が訪れたのは、TさんがTwitterで偶然見かけた「元借金FXトレーダーが再起した話」でした。その投稿をきっかけに、Tさんは自分の状況を誰かに相談してみようと考えます。最初は恥ずかしさもありましたが、匿名掲示板で似た経験をした人々と交流することで、「自分だけじゃなかった」と気づき、少しずつ気持ちが楽になっていきました。
次にTさんが行ったのは、家計の徹底見直しと副業の導入です。固定費を見直し、スマホを格安SIMに変更、不要なサブスクも解約。そして、夜間にできる在宅ワークを始め、月1万円〜2万円の副収入を得るようになります。
それでも借金完済までは1年以上かかりましたが、「お金の流れを見える化」し、少額でも“稼ぐ力”をつけることで、精神的にも金銭的にも少しずつ自信を取り戻していきました。
再発防止のために学んだ3つの教訓
Tさんが最終的に口にしたのは「勉強せずにやるFXほど危険なものはない」という言葉でした。最後に、Tさんの体験から見えてきた再発防止のための3つのポイントを整理しておきます。
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ゼロカットの“条件”を細部まで確認する
業者がゼロカットを採用しているかどうかだけでなく、どのような条件で無効になるかも要チェックです。 -
ハイレバレッジには“想定外”がつきもの
たとえ一時的に成功しても、想定外の相場変動は避けられないと心得る必要があります。 -
借金を取り戻すための再投資は“悪手”
損失を取り返す目的で再びハイリスク投資をすることは、ほぼ確実に破綻への道です。
まとめ
海外FXはたしかにチャンスもある市場ですが、同時にリスクも大きい世界です。特に「追証」に関しては、見えないところに地雷が潜んでいることも珍しくありません。今回のTさんの事例は、軽い気持ちで始めた副業FXがどれだけ深刻なダメージを与えるかを物語っています。
しかし、同時に「破綻からでも再起できる」ことも示してくれました。大切なのは、情報をしっかりと集め、自分の状況を見直し、焦らず一歩ずつ前に進むことです。

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