被害に気づいたのは「出金トラブル」からだった
LINEでのやりとりを重ねた結果、筆者は講師の指示通りに海外ブローカーへ入金し、指定された自動売買ツールを使い始めました。当初は「日利1%」という運用成績が提示され、確かに口座残高は少しずつ増えていくように見えました。しかし、ある日突然、出金申請が却下される事態が発生します。
サポートに連絡しても「現在はシステムメンテナンス中」や「本人確認が未完了」といった回答ばかり。そのうち、講師との連絡も取りにくくなり、最終的にはLINEもブロックされてしまいました。
さらに調べてみると、そのブローカーは日本の金融庁には登録されておらず、ネット上にも**「出金拒否」や「詐欺」という口コミが多数。ようやくそこで、すべてが高額なツール販売と偽装ブローカーによる詐欺スキーム**だったことに気づきました。
被害者同士がつながり始めたSNSの声
被害に遭った後、筆者はX(旧Twitter)で同じブローカー名を検索。すると、同様のLINE講師やFX塾に誘導された人々の投稿が多数見つかりました。共通点は以下のようなものです:
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講師が個別にLINEで誘導
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有料ツールの販売(30万円~50万円)
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海外ブローカーへの勧誘(金融庁無登録)
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出金拒否・サポート消失
そこでは、被害者同士が情報交換したり、消費生活センターに相談した結果を共有したりする動きも。なかには警察へ相談し、民事・刑事の両面で対応したケースもありました。
筆者も、契約時のLINEやメールのやりとりを保管していたため、消費生活センターを通じて返金交渉を行いました。結果として全額の返金には至らなかったものの、一部返金とスクール運営者の所在確認までは行うことができました。
まとめ|“信頼感”を武器にした詐欺にご用心
今回の事例で重要なのは、「講師との距離の近さ」がむしろリスクになっていたという点です。LINEやビデオ通話を使った個別対応は、親切に見えても**実態はセールス目的の“演出”**であり、初心者ほどその甘い言葉に引き込まれがちです。
被害を防ぐには、次のような視点を持つことが有効です:
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金融商品の勧誘は“登録業者”かどうかを必ず確認
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ツール販売を伴うFXスクールには特に注意
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LINEなど閉じた環境での勧誘は記録を残し、第三者に相談を
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SNSで同様の体験者がいないか、事前にチェック
副業や投資に取り組むこと自体は悪くありませんが、「信頼してしまったから」という理由で判断を委ねてしまうと、大きな損失につながる可能性があります。

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