なぜ税務署に見つかったのか?きっかけは「ある入金」
本記事では、海外FX取引をしていたBさんが、無申告で得た利益により税務署から追徴課税400万円を受けた実体験を紹介します。まず焦点となるのは、「なぜバレたのか?」という点です。Bさんは複数の海外FX口座を使い、年間700万円を超える利益を上げていましたが、申告は一度もしていませんでした。
バレたきっかけは、日本国内の銀行に「200万円以上」の海外送金があり、それが税務署の目に留まったことでした。現在では、国際的な金融情報の自動交換制度(CRS)も整備され、海外取引は思った以上に「見られている」状況です。
Bさんが使っていた送金ルートには、第三者名義の口座も絡んでいたことが後から発覚。これがより強く調査対象となり、税務署から「お尋ね文書」が届いたのです。
FXで得た利益は「雑所得」扱い:見落としがちな誤解とは?
Bさんは税務署の調査が入るまで、「FXの利益って、バレなければ問題ない」と本気で思っていました。そもそもFXでの利益の扱いを正しく理解していなかったのです。
海外FX業者を使った場合、その利益は原則として「雑所得」に区分されます。そして、年間20万円を超える雑所得は原則として確定申告が必要になります(給与所得者の場合)。よくある誤解として、以下のような思い込みがあります:
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「海外口座だから日本の税金は関係ない」
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「マイナスもあったので実質利益なし」
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「銀行に戻していないから未確定」
どれも通用しません。利益確定=ポジションをクローズした時点で所得とみなされるのが基本。Bさんのように証拠が残っていれば、過去にさかのぼって調査・追徴されるのです。
「追徴400万円」が発覚するまでの経緯と精神的プレッシャー
税務署からの「お尋ね文書」には、過去3年間の取引履歴提出や銀行口座の確認が求められていました。Bさんは最初、軽く考えていましたが、対応が遅れたことで「任意調査」から「実地調査」に移行。
この段階でBさんはようやく、過去の損益計算と無申告状態の深刻さに気づきます。海外FXの明細を一つひとつ見直し、税理士に依頼して申告内容を再構築。ところがすでに時遅く、税務署側では独自に計算を進めていたため、申告内容の一部は認められませんでした。
結果、追徴課税は約400万円。この金額は、Bさんの手元には残っていなかった利益の一部も含まれており、支払い方法や延滞のリスクが現実的な不安となってのしかかります。
次回の後編では、この「追徴400万円」という現実にどう立ち向かい、Bさんが生活再建をどのように進めたのかを詳しく解説します。さらに、支払い方法・交渉の流れ、今後の予防策まで掘り下げていきます。
分割納付は可能?支払い方法と交渉の現実
追徴課税400万円という金額は、ほとんどの人にとって即時一括での支払いは困難です。Bさんも例外ではなく、納税の猶予制度や分割払い(延納)を税務署に相談しました。
税務署は原則として「一括納付」を求めますが、納税者の経済状況を勘案し、一定の条件下で分割払いを認める運用も行っています。Bさんは「納付計画書」を提出し、収入証明や生活費の内訳も提示した上で、毎月10万円ずつの分割納付が認められました。
ただし、延滞税(年利7.3%相当)がかかるため、実質的な負担は増えます。Bさんは追加の副業も開始し、収入確保と支払いの両立を模索しました。
メンタル面の影響と生活再建の過程
税務調査から課税決定、納付計画の調整に至るまでの過程で、Bさんは精神的にも大きなストレスを感じていました。SNSや掲示板で「同じような経験をした人」の情報を見つけ、共感と学びを得たことが支えになったと語っています。
重要なのは、「罰金」ではなく「納税義務の履行」としての追徴であるという点。Bさんは反省と再起を決意し、今後は税理士のサポートを受けながら、きちんと記帳し、確定申告を行うようになりました。
生活面では、趣味や外食を減らしながらも、自己投資に重点を置くスタイルへと転換。失敗から得た教訓を糧に「第二のスタート」を切ったのです。
まとめ:無申告FXのリスクと再起の教訓
Bさんの事例は、海外FX取引を軽視した結果、重大な金銭的・精神的リスクに直面した一例です。以下に教訓を整理します。
今後、海外FXを始める人・すでに行っている人は、「バレないから大丈夫」ではなく、「きちんと向き合う」姿勢を持つことが大切です。
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