EA導入後の初期運用──まずは“検証モード”で始めよう
前編では、EAの選定や環境構築のフェーズを解説しました。ここからは、実際にEAを稼働させた後、どう運用していくかに焦点を当てていきます。
まず最初のステップは、「実戦投入」ではなく「検証モード」での運用です。つまり、本格的な資金を投入する前に、小ロット・少額の運用でEAの動作や特性を見極めていきます。
この段階でチェックすべきポイントは以下の通りです:
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エントリーと決済のタイミング:理論通りに動作しているか
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ドローダウンと資金減少の幅:期待値と乖離がないか
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特定時間帯の挙動:ロンドン・NY時間など、市場ごとの反応
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サーバーの安定性とログ記録:VPSやMT4のクラッシュリスク
この「試運転フェーズ」は数週間〜1ヶ月程度が目安。とくに相場環境によって結果が大きく変わるEA(例:ブレイクアウト型)では、複数パターンの相場を経て判断することが重要です。
利益を安定させるには?資金管理とポートフォリオ戦略
EAが期待通りの動きを見せたとしても、それだけで長期的な利益が確約されるわけではありません。自動売買の成果は、EAの性能 × 資金管理 × 組み合わせ戦略の掛け算で決まります。
ロット調整とリスク管理
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1トレードあたりのリスクを資金の1〜2%に抑えることが鉄則。EAによっては「指定ロット数で稼働する」仕様があるため、証拠金とのバランスが崩れると即ロスカットの可能性があります。
複数EAの組み合わせ
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「Aはトレンド型、Bはレンジ型」というように、異なるタイプのEAをポートフォリオ化することで、相場に応じた収益の分散が可能です。
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同じロジックを複数通貨で動かすよりも、「異なる戦略を掛け合わせる」ことの方が安定性を生みやすいです。
まとめ:無料EAだからこそ“戦略”がものを言う
無料EAの最大の利点は、コストをかけずに高度なロジックを体験できる点です。しかし、逆に言えば「誰でも手に入る=競合が多くなりやすい」ため、差が出るのは運用戦略と検証の丁寧さです。
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EAのバックテスト結果を鵜呑みにしない
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小ロット検証から始め、挙動を観察する
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複数EAや通貨での分散運用を検討する
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VPSや監視体制を整えて、継続的にメンテナンスする
これらの工夫を積み重ねることで、「無料EAでも勝てる」という現実に少しずつ近づいていけます。

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