MT4の自動起動&監視設定マニュアル|VPSで安心運用を始めよう

自動売買におけるMT4の「自動起動」の重要性

自動売買をVPSで安定的に運用するには、MT4(MetaTrader 4)の「自動起動」設定が不可欠です。VPS環境では、Windowsアップデートや強制再起動などによって意図せずMT4が停止してしまうことがあります。このとき、起動設定がなければEAは止まったままになり、利益を逃すどころかリスクが拡大することも。

自動起動を設定することで、VPSが再起動した際にもMT4が自動で立ち上がり、EAの再稼働まで自動で行われるようになります。手動での再ログインや立ち上げが不要となり、無人環境でも安心して自動売買を継続できます。

この前編では、以下の観点から自動起動設定の基本とメリットを解説し、後編では「監視設定」の実装とおすすめツールについて詳しく紹介します。

スタートアップ登録でMT4を自動起動させる方法

Windows VPSでは、スタートアップフォルダにMT4のショートカットを登録することで自動起動が実現できます。以下はその手順です:

  1. MT4を右クリックし、「ショートカットを作成」

  2. shell:startup をエクスプローラーのアドレスバーに入力して、スタートアップフォルダを開く

  3. 作成したショートカットをその中にコピー&ペースト

これでVPS再起動後、自動的にMT4が立ち上がるようになります。

より安全な運用のための補足設定

  • 管理者権限の実行を避ける:管理者モードでMT4を実行しているとスタートアップで立ち上がらない場合があるため、通常権限での動作確認をしておく

  • 複数MT4の起動順序を制御:ショートカットに数秒の遅延起動を設定して、VPSの負荷を分散する(バッチファイルで対応可)

複数MT4インスタンス運用時の注意点と工夫

自動起動は単体のMT4であれば簡単ですが、複数インスタンスを運用している場合は少し工夫が必要です。

パスを分けてインストールした場合の自動起動

  • MT4は異なるフォルダに複数インストール可能(例:MT4-1, MT4-2など)

  • 各フォルダ内のterminal.exeのショートカットをスタートアップに登録

  • ショートカットの名前をわかりやすくしておくと混乱を防げる

起動確認が難しい場合の対策

  • ログファイルの更新を監視するスクリプトを作成して、起動確認の自動化を行う(後編で詳述)

  • ウィンドウタイトルを定期的に監視して「応答なし」状態の検知も可能

以降ではこのような運用監視に使えるツールやスクリプト手法を詳しく解説します。

自動売買を支える監視ツールの活用法

VPS上でMT4の自動起動を設定しても、それだけで安心はできません。自動売買の本質は「止まらずに稼働し続けること」にあります。とくにEA(エキスパートアドバイザー)を長時間稼働させる場合、EAのフリーズや接続断、サーバー側の問題など「気づけない停止リスク」に備える必要があります。

そこで有効なのが「監視ツール」の導入です。具体的には以下のような方法が考えられます:

  • ログファイルの更新チェック:一定時間内にログファイルが更新されない場合にアラートを出す

  • Windowsタスクスケジューラ+バッチ:定時再起動や復旧コマンドで動作継続性を担保

  • 専用ソフト(例:MT4 WatchDog):ウィンドウ名、プロセス、ネットワーク状況などを監視し、異常検知時にMT4を自動再起動する

監視の実装はMT4に直接ではなく、あくまでVPS側での補完機能として設計するのが安全です。

MT4監視スクリプトの導入手順と注意点

スクリプトベースの監視も導入しやすく、無料で実装可能です。代表的なのは「バッチスクリプト」「PowerShellスクリプト」「Pythonスクリプト」を組み合わせる方法です。

バッチスクリプトでの例:

bat
tasklist /FI "IMAGENAME eq terminal.exe" | find /I "terminal.exe" > nul if errorlevel 1 start "" "C:MT4terminal.exe"

このスクリプトを数分ごとにタスクスケジューラで実行すれば、MT4が落ちた場合に自動で再起動されます。

導入時の注意点

  • スクリプトのパスや実行権限を誤ると動作しない

  • 実行頻度が高すぎるとCPUに負荷がかかる場合がある

  • 「監視ログ」を別途記録しておくとトラブル時の分析に役立つ

また、Pythonでより高度な監視・通知を組み込む場合、Slackやメールと連携した「異常通知」まで実装可能になります。

まとめ

MT4の安定運用は「起動させるだけ」では不十分です。VPSにおける自動起動+監視体制を整えることで、初めて本当の無人自動売買運用が実現します。

前編では、スタートアップ登録や複数インスタンス運用の工夫など、基礎的な「起動の自動化」を扱いました。後編では、さらに一歩進んで「止まっていないかの確認=監視」について具体的に解説しました。

両者を組み合わせることで、VPSを活用した自動売買の信頼性は格段に高まります。

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