自動売買を支える監視ツールの活用法
VPS上でMT4の自動起動を設定しても、それだけで安心はできません。自動売買の本質は「止まらずに稼働し続けること」にあります。とくにEA(エキスパートアドバイザー)を長時間稼働させる場合、EAのフリーズや接続断、サーバー側の問題など「気づけない停止リスク」に備える必要があります。
そこで有効なのが「監視ツール」の導入です。具体的には以下のような方法が考えられます:
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ログファイルの更新チェック:一定時間内にログファイルが更新されない場合にアラートを出す
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Windowsタスクスケジューラ+バッチ:定時再起動や復旧コマンドで動作継続性を担保
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専用ソフト(例:MT4 WatchDog):ウィンドウ名、プロセス、ネットワーク状況などを監視し、異常検知時にMT4を自動再起動する
監視の実装はMT4に直接ではなく、あくまでVPS側での補完機能として設計するのが安全です。
MT4監視スクリプトの導入手順と注意点
スクリプトベースの監視も導入しやすく、無料で実装可能です。代表的なのは「バッチスクリプト」「PowerShellスクリプト」「Pythonスクリプト」を組み合わせる方法です。
バッチスクリプトでの例:
このスクリプトを数分ごとにタスクスケジューラで実行すれば、MT4が落ちた場合に自動で再起動されます。
導入時の注意点
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スクリプトのパスや実行権限を誤ると動作しない
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実行頻度が高すぎるとCPUに負荷がかかる場合がある
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「監視ログ」を別途記録しておくとトラブル時の分析に役立つ
また、Pythonでより高度な監視・通知を組み込む場合、Slackやメールと連携した「異常通知」まで実装可能になります。
まとめ
MT4の安定運用は「起動させるだけ」では不十分です。VPSにおける自動起動+監視体制を整えることで、初めて本当の無人自動売買運用が実現します。
前編では、スタートアップ登録や複数インスタンス運用の工夫など、基礎的な「起動の自動化」を扱いました。後編では、さらに一歩進んで「止まっていないかの確認=監視」について具体的に解説しました。
両者を組み合わせることで、VPSを活用した自動売買の信頼性は格段に高まります。
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