効果的な“組み合わせ戦略”の作り方
前編では複数EAの意義や基本的な分散の考え方を整理しました。後編では実際に「どう組み合わせるか」について、具体的な視点を提示していきます。
ロジック重複の排除が肝心
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「異なるロジック」かと思って導入したEAが、実はエントリー条件やリスク設定が似通っているケースはよくあります。
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MT4バックテストの取引履歴や、開発者の設定パラメータを読み解くことで、重複度をチェックできます。
ロットと損切り幅の“全体最適化”
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単体ではリスク許容内でも、複数EAが同時にDD(ドローダウン)を起こすと証拠金維持率が急低下。
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EAごとに最大ポジションと損切り幅を把握し、証拠金に対して適正な“同時稼働数”を調整すべきです。
モニタリング用の可視化ツール導入
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複数EAの損益を見える化するツール(MyfxbookやFX Blueなど)を使えば、成績の偏りや異常動作を早期に把握できます。
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導入初期から記録を残しておくことで、最適化や入れ替え判断がしやすくなります。
運用後の「検証・見直し」で勝ちパターンを育てる
複数EA運用は一度組んで終わりではなく、「常に微調整する姿勢」が必要です。
稼働後1〜2か月は“仮運用”期間と割り切る
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最初の数週間〜数か月は、バックテストとリアルの差を見極める重要なフェーズ。
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相場との相性や、VPS・回線による微妙なズレもチェック対象となります。
ポートフォリオの“成績比率”を再計算
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たとえば月利5%のEAが2本、月利1%のEAが5本でも、全体では“微増”に見えてしまう。
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勝ちパターンを厚めに、低迷EAは稼働停止やロット縮小で対応するなど、ポートフォリオの最適化が重要です。
勝っているEAこそ“油断禁物”
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成績の良いEAが、次の相場で破綻するケースもあります(例:レンジ型EAが急変動で損切り連発)。
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過信せず、設定値・ロジック・最大ポジションなどを見直しながら運用することが、長期的な安定につながります。
まとめ
複数EA運用は、「リスク分散」だけでなく、「相場への適応力向上」「自分だけの勝ちパターン構築」につながる戦略的な手法です。
ただし、ただ数を増やせばいいわけではなく、組み合わせ方・ロット設定・運用後の分析までを丁寧に設計・実行することが不可欠です。EAは自動で動くツールですが、「運用戦略」は人間の判断次第。だからこそ、知識と検証に基づいた実践が、海外FXの中で安定した資産運用への近道となります。

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