注文スピード比較:環境別・業者別の検証結果
前編で解説した理論背景を踏まえ、ここでは実際にトレーダーが使用している各業者の注文スピードを、取引環境別(日本の自宅、海外VPS、東京VPSなど)に分類して比較します。
主要5業者の平均Ping値(ロンドンサーバー)
業者名 | 日本からのPing | ロンドンVPSからのPing | 注文処理時間(平均) |
---|---|---|---|
TitanFX | 200ms | 3ms | 約0.20秒 |
XM | 220ms | 5ms | 約0.25秒 |
Axiory | 210ms | 4ms | 約0.23秒 |
Exness | 190ms | 2ms | 約0.18秒 |
BigBoss | 230ms | 6ms | 約0.30秒 |
このように、自宅から直接接続するよりも、サーバー所在地に近いVPSからの接続が圧倒的に速いことがわかります。とくにロンドンVPSを利用することで、注文の反映スピードはほぼリアルタイムに近づきます。
注文速度とスリッページの関係
スリッページは、発注した価格と実際に約定した価格のズレを指します。約定スピードが遅いと、このズレが拡大しやすく、特に経済指標発表時などの急変動局面では、トレーダーに不利な価格で約定することもあります。
約定スピードが速い業者は、このズレを最小限に抑えることが可能で、トレーダーにとってより正確なエントリー・エグジットが実現できます。
約定力と取引戦略の相性
スキャルピングに向く業者の特徴
-
ECN口座を提供している(Exness、TitanFXなど)
-
ロット制限や取引頻度に制限がない
-
VPSとの親和性が高い(業者提供VPSがあるなど)
スキャルピングでは、1秒を争うタイミングでの判断が要求されるため、約定力が高い業者であることが前提条件です。
中長期トレードなら許容できる範囲も広い
逆に、デイトレードやスイングトレードでは、約定が0.1秒遅れても影響は軽微です。このため、約定スピードよりも「取引コスト」や「スワップポイント」のほうが重要視される傾向があります。
まとめ
海外FX業者を選ぶ際、約定スピードは短期トレードを重視する人にとっては最重要ポイントの一つです。Pingやサーバーの位置、VPS利用などを活用することで、通信環境のハンデを大きくカバーできます。
また、ECN/STPの方式や業者ごとの内部マッチング性能も影響するため、「どの戦略に向いているか」という視点で業者を選ぶことが、収益最大化への近道となります。
コメント