本当に見るべきEA評価指標とは?|PFだけで判断しない多面的な視点
プロフィットファクター(PF)だけに依存したEA評価は、誤った判断を招くリスクがあります。より多面的にEAのパフォーマンスを見極めるには、以下の指標にも注目することが重要です。
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ドローダウン(最大/平均):資産の減少幅を見る指標。最大ドローダウンが大きすぎるEAは、実運用での心理的負担が重く、資金管理に工夫が必要です。
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リカバリーファクター:PFよりも安定性を重視した指標で、ドローダウンに対する回復力を示します。
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勝率とペイオフレシオ:勝率と1トレードあたりの利益・損失の比(ペイオフ)をセットで見ることで、取引の性格(コツコツ型か一発型か)がわかります。
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シャープレシオ/SQN:リスクに対するリターンの効率を示す指標。バックテストの統計的信頼度を加味するため、評価の信頼性が上がります。
これらの指標をPFとあわせて見ることで、「数値が高いけど危ういEA」や「数値はそこそこでも実運用に向いているEA」などの違いを見抜けるようになります。
PFと他の指標の組み合わせでEAの“性格”を把握する
ドローダウンとPFの組み合わせ
たとえば、PFが2.5で最大ドローダウンが30%のEAと、PFが1.8で最大ドローダウンが10%のEAを比べると、後者のほうが堅実運用に向いている場合があります。これは、**「数値」よりも「運用の現実感」**を重視する考え方です。
勝率・ペイオフのバランスで戦略タイプを知る
勝率90%でも1回の損失で大きく負けるEAと、勝率40%でも平均利益が大きいEAでは、運用者の好みや資金計画がまったく変わります。これを見抜かずにPFだけを見て採用すると、想定外のメンタルダメージや資金飛ばしにつながる恐れがあります。
リアル口座・フォワードテストの重視
PFなどの数値は、あくまでバックテストから得られた過去の統計です。信頼性を高めるためには、リアル口座でのフォワードテスト結果を一定期間追い、数値と実際の運用感覚を照合する必要があります。リアルではスリッページや約定遅延など、バックテストでは反映されない要素があるためです。
まとめ
EAの評価において、プロフィットファクターだけを見て「良いEAかどうか」を判断するのは非常に危険です。確かにPFはひとつの指標として有効ですが、それは他の指標と組み合わせて初めて意味を持つものです。ドローダウン、勝率、ペイオフ、リカバリーファクター、SQNなど多面的な視点を取り入れることで、より実用的で納得のいくEA選びができるようになります。
実際の運用では「数値の高さ」よりも「安定性」と「再現性」が問われます。派手なPFに惑わされず、総合的な判断力を持つことが、EA運用で成功するための鍵となります。
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