各業者の対応と明文化されたルールの実例
アービトラージEAの禁止について、海外FX業者ごとにどのようなルールがあるかを見てみましょう。ここでは代表的な業者の規約を例に挙げます。
Titan FX の場合
Titan FXでは、レイテンシーアービトラージを明確に禁止しています。公式規約に「フェアでない取引手法(Unfair trading practices)」として、価格配信の遅延を狙った注文が禁止されています。
AXIORY の場合
AXIORYも「過剰な負荷をかける取引」「市場の価格差を利用する行為」を禁止事項として掲げています。取引キャンセルやアカウント凍結の対象になる可能性もあります。
XM の場合
XMはやや曖昧ながら、「裁定取引やマニュピュレーションに類する取引」は契約違反とみなされる可能性があると記載しています。アービトラージEA利用がバレた場合、出金拒否などの措置が取られることもあります。
各業者が明文化している内容は異なりますが、共通して言えるのは**「相場の歪みを悪用するEAは排除されるリスクがある」という点**です。
アービトラージEAが発覚する仕組みとBANの実例
それでは、実際にアービトラージEAがどのようにして業者に発覚し、どのような措置が取られるのかについて解説します。
-
取引履歴からの特定
同一通貨ペアを複数の口座で同時注文していたり、毎回数秒以内の超高速決済を繰り返していると、監視システムが異常を検出します。 -
注文履歴の異常な傾向
ほぼ常にスリッページゼロ、マイナススワップの無視、特定タイミングにだけ集中する注文などは、EAによる自動実行の特徴と一致します。 -
ユーザー通報・同業者経由の情報共有
大規模なアービトラージ案件では、他業者との間で情報が共有される場合もあります。特にMT4/MT5ブリッジを提供している外部サーバーが共通していると、発覚しやすいとされています。
実際に、アービトラージEAを使用していたユーザーが、出金拒否・アカウント凍結・利益没収といった措置を受けた事例も少なくありません。
まとめ
アービトラージEAは一見すると“堅実に稼げる優れたツール”に見えますが、実際には業者側の許容範囲を超えた使い方でトラブルになる可能性が極めて高いツールでもあります。
-
海外FX業者の多くは、明文化された規約または暗黙のルールでアービトラージを制限。
-
バレないと思っても、履歴分析やシステム監視で発覚する。
-
発覚後のリスクは、出金拒否や凍結など“全損”に近いものもある。
自動売買を活用するなら、「何がグレーか」を理解したうえで、安全な範囲での運用を心がけることが極めて重要です。
コメント