リスクシナリオの具体例:資金20万円からの破綻まで
では、実際に「資金ショート」を想定したシナリオを見てみましょう。
前提条件として、資金20万円、1回の取引で5万円分のポジションを持ち、最大3ポジションまで保有可能とします。通貨ペアはボラティリティが高めのポンド円、レバレッジは25倍。
シナリオの展開は次のようになります。
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1回目のエントリーで損切り幅を誤って設定し、2万円の損失。
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2回目は逆張りにこだわって再エントリーし、ロスカットによりさらに5万円の損失。
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残りの13万円で3回目のエントリー。ナンピンを行いポジションを倍化。
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含み損が拡大し、証拠金維持率が100%を下回りロスカット。
このように、初動の判断ミスとナンピンによる悪化が重なると、3〜5回のエントリーで資金は底を突きます。重要なのは、「何が原因で損失が拡大したか」を段階的に記録・分析することです。
資金ショートの再現度を高めるチェックポイント
デモトレードで資金ショートを再現するには、次のようなチェック項目を設けてトレードを振り返ると効果的です。
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エントリー判断の一貫性:戦略通りだったか、根拠が弱かったか。
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損切りのルール逸脱:ルール通りに切れなかった理由は?
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ポジションサイズの適正:資金に見合わない取引になっていなかったか。
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ナンピンの理由と妥当性:ただの感情的な行動ではなかったか。
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相場環境の理解不足:想定外の値動きにどう対応したか。
これらを“スコア化”し、資金ショート直前の判断ミスの傾向を可視化することで、リアルトレードでも同じ失敗を繰り返さない訓練になります。
Excelやシートでの記録テンプレートを活用
実際に上記のチェックポイントをExcelでテンプレート化し、トレードごとにスコアとメモを残すことで、「資金が減るプロセス」を客観的に捉えやすくなります。
まとめ:資金ショートは“結果”ではなく“学びのプロセス”にする
資金ショートのシナリオ設計は、ただリスクを恐れるためのものではありません。本質は「何が原因でリスクが拡大するのか」を冷静に見極めることにあります。
デモ口座では、こうした失敗を何度でも再現・検証できます。資金がゼロになる過程をシミュレートし、その都度「どの判断を修正すれば防げたのか」を記録しておくことで、リアルでの実弾トレードに移った際の“生存率”は格段に高まります。
デモを通じて「破綻プロセスを疑似体験する」ことこそ、海外FXにおける最強の資金・リスク管理練習法だといえるでしょう。
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